誰かの何気ない一言や、配慮のない態度に胸がチクッと痛む。
そんな経験はありませんか?きっと誰しもが経験のあることだと思います。
この文章では、これまでたくさん傷ついてきたあなたが、もうこれ以上傷つき続けないために、「なぜ傷ついてしまうのか」そして「どうしたら傷つき続けずにすむのか」について書いています。
私は現在、茨城県小美玉市を中心に活動するヨガインストラクター兼、日本ヨガ心理学協会に所属するヨガ心理学講師でもありますが、以前の私も誰かの何気ない一言に傷つくことがよくありました。
「なんであんな言い方をするんだろう」
「もっと相手のことを考えたらいいのに」と、その言葉を思い出しては、モヤモヤを引きずってしまってました。

■なぜ人の言葉に傷ついてしまうのか
「あなたには向いてないんじゃない?」
「普通はこうじゃない」
「えーそんなこともできないのー」
人によって傷つく言葉は違うと思います。
でもここでちょっと立ち止まって周りを見渡してみてほしいのです。
同じ言葉を言われても、深く傷つく人もいれば、まったく気にしない人もいるということに気づきませんか。
例えば
職場で上司に
「これ、やり直して」
と言われたとします。
「私がダメだからだ……」
と一日中落ち込む人もいれば、
「はーい」
と返事をして、その5分後にはお昼ご飯のことを考えている人もいます。
あるいは、
「普通はこうじゃない?」
と言われたとき、
「私がおかしいのかな……」
と不安になる人もいれば、
「へぇ、あなたの普通はそうなんだね」
と受け流せる人もいます。
同じ言葉なのに、どうして違いが生まれるのでしょうか。
だとしたら、傷つくか傷つかないかを決めているのは、本当に「相手の言葉」そのものなのでしょうか?
ここで多くの人は、「あの人は心が強い(ポジティブ)から平気」「私は心が弱いから傷つく」と思いがちです。以前の私もそう思っていました。
ですが、ヨガ心理学を学ぶようになって思うのは、「心が強い人と弱い人がいる」というよりも、「受け取り方の違い」が大きいということでした。

■人の言葉に傷つきやすい本当の理由
もちろん、外見や年齢、尊厳や人間性を否定する暴言や、相手を傷つけることを目的とした言葉は別の話です。そのような言葉によって傷つくのは当然のことであり、自分を守ることが何より大切です。
ただ、ここでお話ししたいのは、相手に悪気があるとは思えないのに、なぜか深く傷ついてしまう場合についてです。
「なんだかモヤモヤする」
「否定された気がする」
「批判されたように感じる」
人は、はっきりとした暴言だけでなく、何気ないやり取りの中でもこのように傷つくことがあるのではないでしょうか?
私が心理学を学ぶ中で気づいたのは、人は自分が気にしていることに触れられたとき、強く反応しやすいということです。
このような場合、相手の言葉がきっかけになることはあります。
ですが、その言葉が深く刺さるかどうかは、自分が普段どんなふうに自分を見ているかとも関係しています。
傷つく背景には、自分自身も気づいていない思い込みや、自分に対する厳しい見方が隠れていることがあります。
例えば、
「えー、そんなこともできないの?」と言われたとき。
もし自分自身の仕事やスキルに自信があるか本当にできないと認めていることならば、
「あはは、これ苦手なんだよねー!」と笑って流せるかもしれません。
けれど、もし自分で「周りより仕事ができないな」「迷惑かけてるかも」と普段から気にしていたとしたら……。
その言葉は、自分が一番隠しておきたかった傷をえぐられるような痛みになります。

■私が自分の反応で傷ついた理由
これは幼い頃の私自身の体験です。
少し珍しい出来事かもしれませんが、「同じ言葉でも受け取り方が変わる」ということが、とてもよく表れている出来事だったので紹介します。
子どもの頃、私の家はあまり裕福ではありませんでした。
そのため私は、「うちは貧乏だから、周りからバカにされるんじゃないか」といつも気にしていました。
そんなある日、近所の方がおかずのお裾分けを持ってきてくれました。
そして何気なく、
「何かかってるの?」
と聞いたのです。
その瞬間、胸がギュッとなりました。
「あぁ、やっぱりそう思われているんだ」
そんな気持ちが一気に込み上げてきました。
そう感じた私は、
「はい。母が時々、買い物に行ってます」
と答えました。
すると相手は慌てて、
「あ、その水槽、何か飼ってるの?」
と言ったのです。
今振り返ると、この出来事はとても象徴的だったと思います。
同じ場面でも、自分の家のことを気にしていない子なら、
「うん、カメを飼ってるよ」
と答えて終わりだったかもしれません。
ですが当時の私は、「貧乏だから見下されるかもしれない」という不安を抱えていたので、
相手の言葉を聞いた瞬間、
「何か飼ってるの?」
を
「何か買えてるの?」
と勝手に受け取り、
「やっぱりお金がないことは恥ずかしいんだ」
そんな気持ちになったのです。
この出来事を思い出したとき初めて、私を苦しめていたのは、誰かの言葉そのものではなく、その言葉によって刺激された私自身の思い込みや自己否定だったのかもしれない。そんなふうに考えるようになりました。
もちろん、すべての傷つきがこれで説明できるわけではありません。ですがこの気付きをきっかけに、自分が何を気にしているのか、自分をどう見ているのかに目を向けるようになりました。
程度の差はあっても、誰でも「自分が気にしていること」には敏感になります。
私の場合はそれが、とてもわかりやすい形で表れた出来事でした。

■相手を変えても苦しさは終わらない
誰かの何気ない言葉や態度で傷ついてしまったとき、そんな心を癒すには、親しい人に話して慰めてもらうことも大切です。そして、自分を傷つける人から離れるため人間関係を変えようとすることもあるかもしれません。
ですが、それで一時的には楽になっても、また同じよう傷ついてしまうことがあります。
私自身、そういう相手から離れれば楽になると思っていました。けれど、人が変わっただけで、また同じように傷ついていました。
相手が変わっても、なぜか同じようなことで苦しくなる。
もしそうだとしたら、原因は相手だけではなく、自分が普段どんなふうに自分を見ているのかも関係しているのかもしれません。
「自分には価値がない」と感じてしまう方へ
■傷つき続けないために必要なこと
では、どうしたら必要以上に傷つかずにすむのでしょうか。同じ言葉を言われても、深く傷つく人もいれば、そうでない人もいます。その違いは、心の強さではなく、物事の受け取り方にあるのかもしれません。
私はそれを「心のバリア」と呼んでいます。
それは自分を守るために相手を否定したり、無理にポジティブになることではありません。
「私は本当は何に反応したのだろう」
と立ち止まれる力です。
これは体の不調に対して、その場しのぎの対処だけでなく、姿勢や体の使い方という根本を見直していくことに少し似ています。
心のことも同じなのかもしれません。
私自身、自分の心の仕組みを知ることで、少しずつ物事の受け取り方が変わっていきました。
傷つかなくなったわけではありません。
ですが、同じことで何日も苦しみ続けることは減っていったように思います。

■まとめ
私たちはなぜ、誰かの言葉や態度でこれほど傷つくのでしょうか。
相手の配慮が足りないから?
相手の言い方がきついから?
それもあるかもしれません。
ですが、「相手の言葉」そのものだけでなく、自分が普段どんなふうに自分を見ているかも関係しています。
それは傷つきやすいあなたが悪いわけではありません。
以前の私もそうでした。
傷ついたとき、親しい人に話し、慰めてもらい癒されることも大切なことですが、
「あの人の言葉が私を傷つけた」と思っていた出来事も、
「私は本当は何に反応していたのだろう」
と見つめられるようになると、物事の見え方は少しずつ変わっていきます。
傷つくことがなくなるわけではありませんが、相手を変えようとし続けるより、心のことを学ぶことで、傷つくことは減らしていけます。
心の仕組みを知ることは、自分を責めるためではなく、自分を理解するためのものなのだと思います。
心のことは、本を読んだり一人で考えていてもなかなか気づけないことがあります。
だからこそ私はヨガ心理学を学び続けています。
最後に、傷つきやすい人は、過去の経験、特に幼少期の体験が深く影響していることが考えられます。あなたももし、誰かの言葉に傷つく苦しさを減らしたいと思うなら、そんな「心のバリア」を育てていきませんか。時間はかかるかもしれませんが、一生モノの価値があると感じています。



コメント